宇和島藩伊達家7代宗紀が造営した国指定文化財「天赦園」。ここの池には不思議なことが存在する。この庭園は鬼ヶ城(宇和島の東方にそびえる山)を借景とし、7年掛けて造られたという。池の水は鬼ヶ城山系の伏流水を利用している。池には鯉が多数泳いであるが、そんな中に見慣れぬ魚がいる。よく見ると「ぼら」である。この魚は汽水域に住む魚であるが、池にはいない。どうして池に入ったのか不思議である。詳しい話を聞くと「この池には水門があり水が多量に流れ込むと水門を開け調節している。」とのこと。そこが謎を解く鍵があった。そばには神田川(じんでんがわ)が流れていて、ここに水を流している。大雨や台風で満潮、高潮の時には池に海から川へ遡って逆流する。その流れでボラの卵も池に入り孵化したものとのこと。鯉のえさ泥棒であり、泳ぐ様は厚かましく見えるのは自分だけか?
天赦園「春雨亭」
色が白っぽく見えるのが「ぼら」